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VeilchenについてAbout Veilchen

Veilchenの命名について


*** Veilchen (独) すみれ ***

sumire
 花としてのすみれは、フランドルの画家ヒューホー・ファン・デル・フースの「羊飼いの礼拝」やドイツの文豪ゲーテの「エルヴィンとエルミーレ」などにみられるように「謙譲」や「謙遜」を象徴する花として登場しています。 それは頭をもたげながら咲く小さな花であることに由来しており、また、実は三方に開いてはじけることから「三位一体」を象徴するとも言われています。
 すみれはひっそりと小さく目立たず咲きますが、それでいてとてもひた向きに「生きよう」としているように思えます。 決して堂々としているわけではないけれど。それに対して、その生命を支えてくれる光(太陽)や潤いを含んだ大地(水、土)は、大きな心で全てを見守り包み込んでくれる「母なる存在」といえましょう。 この関係は、そのまま「私達」と「音楽」になぞらえるように思うのです。  
 すみれは小さな存在ながらも、そのあたたかくして大いなる「自然の恩恵」を一心に受けていることをよくよく感じていて、それに対していつも感謝をしているのです。  でも小さな自分は、あまりにも大きなその存在に対して十分なことができないとも思っています。 けれど、大切なのは、自分にできる、また自分が思う、最高の、最大のこと・・・即ち、心でもって、精一杯の愛情でもって、いつもそれらに接したり、お話したり、応えたりすること・・・そう思って、きっとそうしているに違いないのです。
 私達もそのすみれのようでありたい、そう思う気持ちをとても大切にしていきたい。 そんな気持ちの膨らみで、この会をVeilchenと名付けました。

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togawa
 この文章を書いた初の発表会の頃、私自身は全く演奏活動をしておりませんでした。心の内では、「音楽に対する愛情」はもちろん抱いていたものの「音楽に対する苦しさ」の方がその大部分を占めていました。 演奏活動をさせていただくようになった今、この文章を読み返してみても、その時の心の痛みを思い出します。なにかもっと温かいまなざしに包まれて音楽を思いたい・・・と、忘れたくない気持ちだけを書こうとしたことも、先日のことのように思い出せます。そして、この気持ちは今も全く変わらないな、と思います。
 Veilchenの発表会は、時折会場を変えながら、生徒さんたちのおかげで毎年、そして14回目まで続けることができました。その後は、リコーダーの方々もアンサンブルでご出演くださるようになったため、名称を「リコーダーとチェンバロが織りなす様々な響き」と変更し、6回ほど発表会をいたしました。が、日々のレッスンや発表会のための練習、本番、打ち上げを通して、みなさん、それぞれに音楽を大切に思ってくださっているのを感じ、通算21回目となる今年から、再び「Veilchen発表会」として、新たな出発をさせていただくことにいたしました。
 生徒さんたちはすばらしい方々ばかりで、頼りない私を様々なかたち(精神的意味も含めた役割)でもって支えてくださっています。ほんとうに、そのおかげさまで、ここまで続けさせていただいた、と、心から感謝させていただいています。 これからも、より優しい、より温かなVeilchenを、生徒さんたちとともに育くんでいきたいと思っております。
(外川 陽子 photo: ©E. Shinohara)

《発表会の軌跡》
Veilchenチェンバロ発表会:
 第1回(1995年)~第14回(2008年)………詳細
リコーダーとチェンバロの織りなす様々な響き:
 vol.1(2009年)~vol. 6(2014年)………詳細

《旧 Veilchenホームページ》………こちらから

《旧 アンサンブル朋ホームページ》………こちらから

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